『ふたつの鼓動が気づくまで』 双子の妊娠がわかった日に離婚届を突きつけられました

『ふたつの鼓動が気づくまで』 双子の妊娠がわかった日に離婚届を突きつけられました

last updateปรับปรุงล่าสุด : 2025-12-25
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【受賞作:『💕契約から始まる恋』シリーズコンテスト】 杵島 充希(きじま みつき)は大手企業・大和田グループの社長の娘。 そんな充希は大和田グループとライバル関係にある杵島グループの社長・杵島 宗司(きじま そうじ)と結婚をする。 しかし、この結婚は偽装結婚で、三年間という期間限定で離婚する「白い結婚」だった。 だが、結婚二年目の節目の日に、充希と宗司は白い結婚の誓いを破り、一線を越えてしまう。 このことで双子を妊娠した充希は、これを機に、偽装結婚ではなく本当の夫婦として暮らすことを宗司に提案しようと考える。 しかし、妊娠が判明したその日に、充希は宗司から離婚届を突き付けられてしまう。

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บทที่ 1

第一章 第一話 私の妊娠が発覚する

「杵島 充希(きじま みつき)さん。どうぞお入りください」

 レディースクリニックの係の方に、そう呼ばれた私は診察室に入る。

 診察室では産婦人科医で、私の親友でもある藤堂 幸恵(とうどう さちえ)が険しい顔でパソコンのモニターを睨んでいた。

 幸恵が見ているのは私の妊娠についての検査結果だ。

 私は幸恵の表情の厳しさに緊張し、彼女を刺激しないよう静かに椅子に腰を下ろすと、検査結果が告げられるのをじっと待った。

 やがて幸恵は険しい表情のまま、ゆっくりと私に向き直る。

「間違いないわね。充希、あなた妊娠しているわよ」

 幸恵にそう告げられた私は、喜びの表情がパッと花開いたが、次の瞬間、その笑顔は急速にしぼんでいった。

 何故なら、私には妊娠を素直に喜べない事情があったからだ。

 * * *

 私こと杵島 充希は、結婚前の旧姓は大和田 充希で、国内を代表する大手企業・大和田グループの社長の長女だった。

 そして私は大和田グループとシェアを二分するライバル企業である杵島グループの社長・杵島 宗司(きじま そうじ)と結婚をしていた。

 しかし、この結婚は偽装結婚で、三年間という期間限定で離婚する「白い結婚」だった。

 そもそもこの結婚自体が両社の絆を深める為の政略結婚だったのだが、夫の宗司が、そうした本人が望まない結婚はすべきではないという考えで、私に偽装結婚───それも三年という期間限定で離婚する「白い結婚」を提案してきたのだ。

 そして期限である三年は、すでに二年が経過していた。

 つまり私は来年、離婚をする。

 そんな私が妊娠をしたことは、由々しき事態だった。

 担当医の幸恵は私の結婚が偽装結婚だということを知っていた。

 なぜなら私が、親友でもある彼女にそのことを相談していたからだ。

 その為、幸恵は引き続き険しい顔で私を問い詰めてきた。

「充希、あなたの結婚って偽装結婚で、三年で離婚する期間限定の「白い結婚」だったわよね?」

 幸恵の圧力は大きかった。

 私は親に叱られる子供のように「はい。そうです」としか答えられなかった。

「じゃあ、なんで妊娠してるの? 「白い結婚」の誓いはどうしたのよ?」

 そう問い詰められた私は「それは……」と口ごもる。

 すると幸恵はある考えに行き着いたようで「ま、まさかっ……!?」と目を見開いた。

 私は幸恵が何を思ったのかをすぐに察した。

「ち、違う! 宗司さん以外の男の人と、そんなことしないから!」

 私が慌てて否定すると、幸恵はすぐに「そうよね。充希に限ってそんなことはないわね。幸いあなたはそういうことはできなさそうだもんね」と納得してくれた。

「でもじゃあ、なんで妊娠しているのよ?」

 幸恵は尚も追及してきた。

 観念した私は「実は先日、私たちの結婚が二年目の節目を迎えて……」と経緯を語り始めた。

「偽装結婚なのに結婚二周年のお祝いをしたの?」

 幸恵は眉間に皺を寄せ、意味が分からないといった様子だった。

「違うの。どちらかというと、お互いに二年間お疲れ様という感じで……。それと結婚期間が、あと一年になったことを祝うというか───あと一年、頑張って乗り切ろうというか……。

 それで少し豪華な夕食を用意して、ワインのボトルを開けて乾杯をしたんだけど、そしたら二人とも少しワインに酔っちゃって……。そしたらなんだかそういう雰囲気になって、それでつい───」

 そこまで話すと幸恵は手を振って「もういい。わかった。それ以上は言わないで」と私を制した。

「でもまさか妊娠するなんて……。本当にごめんなさい」

「私に謝られてもお門違いよ。それよりどうするの? 結婚の残り期間はあと一年よね?」

 心配した幸恵は私の手を握り、じっと私を見つめた。

 私は親友の手を握り返しつつ「とにかく宗司さんに相談してみる」と返事をした。

 * * *

 診察を終えた私はお会計を済ませ、レディースクリニックを後にする。

 その際、私は改めてバッグの中を確認した。

 私のバッグの中には、クリニックの名前が印字された封筒が仕舞われていた。

 中には二通の『大切な書類』が入っている。

 それは先ほど、診察室を出る前に幸恵にもらった書類だった。

 * * *

「はい。充希、これを渡しておくわ」

 幸恵はそう言って二通の用紙を私に差し出した。

 私がその用紙を確かめると、そこには「妊娠届出書」と書かれていた。

「これは?」

 私は初めて見る用紙に戸惑った。

「この用紙に必要事項を記入して役所へ届け出ると、母子手帳がもらえるの」

「そうなんだ」

 私は受け取った妊娠届出書をしげしげと眺めた。

「でもなんで二通あるの? 書き損じ用?」

 私がそう尋ねると、幸恵は意味ありげにニヤリと笑った。

「違うわよ。二通あるのはそういうことよ」

「そういうこと? え? どういうこと───」

 そこまで言いかけて、私はハッとする。

 その様子を見て、幸恵も私が意味を理解したことを察したようだ。

「そうよ。充希は双子を妊娠しているのよ」

 * * *

 私は封筒をバッグに大切に仕舞い、慎重にエントランスの階段を降りた。

 自然と階段を降りる足取りが注意深くなる。

 なぜなら私の身体は、もう私一人だけのものではないからだ。

 私は命を預かるという責任の重大さを感じ、用心深く歩みを進めたが、帰路に就く足取りは軽かった。

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